渓流釣りで使うためのナイフを探していたところ、ヒラバヤシヒデユキカコウジョさんのところにぴったりのナイフがありました。スズメナイフというモデル名だそうです。
渓流釣りは山の奥深くに入り、渓魚を求めてひたすら沢を登りながら釣り上がります。なので、身軽なナイフが良いです。僕は食べるために魚を捕ります。できるだけ新鮮な状態で持って帰りたいので釣った魚はすぐにその場で内臓とエラを取り除きます。その道具として、このスズメナイフを使っています。捌くのにサイズ感がちょうど良く、すごく気に入っているので、せっかくだしシースを製作してみました。
シースに収めてもナイフの造形美をできるだけ損なわないように「絞り」という技法を使いました。絞り技法は出したい形の型を取り、その型に合わせて濡らした革に圧力をかけ絞り込んで形成していきます。濡らした革を使うのは、型取り後に革が乾くとその形を保持する力が生まれるからです。この性質を可塑性(かそせい)と言います。そうすることで、平面の革を立体的に仕立てることができます。
絞り技法で製作したことで、ナイフのシルエットを残したままぴったりとシースに収まりました。シースを作った事でさらに愛着が湧きました。今後はループを取り付けてカラビナ等を使えるようにしたいです。
やっぱ渓魚との相性が良いサイズ感。僕は渓流で使っていますが、他にも果物切ったり鉛筆削ったり、色んな用途に使えるナイフです。因みに作者の平林さんは、最近では山ウドやノカンゾウの収穫に使ったりしてるそうです。