日本民藝館

鬼子母神・大鳥神社で行われていた手創り市を後にして、次はずっと行きたかった日本民藝館に行ってきました。民藝館の向かいにある柳宗悦邸の公開日でもありました。僕が民藝館に到着したのは4時頃。柳宗悦邸見学の最終受付は4時で「間に合わないなら、まぁそれでもいいかな」と思っていたのですが、ギリギリにも関わらずスタッフさんの対応がとてもよく、嫌な顔も(笑)焦らされることもなく案内して頂けました。 IMG_3533 IMG_3531

館内は撮影禁止なので写真はありませんが、まずは柳宗悦邸から。入った瞬間から古家具を買った時の、あの独特な何とも言えない古〜い香りが漂っていました。僕はその香りが大好きで心地よく、見学中他のお客さんに比べてかなり鼻息荒かったことでしょう(笑)建物は1935年に完成したそうで、個人宅としてはかなり大きく、自ら設計したという事で、すごく洗練されていたように思います。個人的には庶民的な古民家が好きなので、僕の感覚との貧富の差(笑)で最初面食らいましたが、建築物としては素晴らしかったです。(建築の事何も知りませんが…) 天井照明はどの部屋もミルクガラスのボールランプに統一されていて、当時からそうなのか後からそうしたのかは分かりませんが、必要以上に主張しない素朴さがかっこ良かったです。また置かれていた家具、特に入ってすぐあったキャビネット?はかなり手のこんだ作りで、目を見張るものがありました。 この空間にいることが本当に気持ちよくて、僕のすれた心(T T)を浄化してくれました。

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そして本館へ。本館は柳宗悦が集めた民藝品が、国や土地、ジャンル別に部屋分けされています。各品は最低限の説明があるのみです。あとで調べたのですが、先入観を持たず直感で見てほしいという思いがあるようです。僕は専門知識がないので、元々直感で見ることしかできないのですが、そういうアカデミックな背景をすっ飛ばして、各々のセンスや直感で見る考えは共感できるところです。

民藝運動の思想を考えると色々思うところはあるのですが、今回その辺は置いといて。 全体的に陶磁器が多いですが、印象的だったのは沖縄の織物で、日本的なものにどこか異国の雰囲気がミックスされたような模様がよかったです。僕は生地と言えば土佐つむぎくらいしか知らないので、ああいった模様の日本の生地があれば欲しいです。 他には江戸時代の焼き物で、酒器だったか何だったか覚えてないですが、アルファベットでJAPANESEだったかな?そう書かれているものがあって、それもよかったです。飾りっ気ない燭台ですごく好みのものもありました。 あと何と言っても鹿革で出来た羽織。初めて見たし、自分が革に携わっている事もあってインパクト大でした!あれは何の用途に使うんだろう。すごく興味があります。 今回民藝館に行った目的は二つあって、一つは心身のリフレッシュ。二つめは自分の作るものは、使い手の暮らしに自然と溶け込むような商品を心がけていて、民藝品やその思想には共感する部分もあり、何かヒントになるかもしれないという理由です。そういう意味では良い時間を過ごせたし、刺激にもなりました。楽しかったです。

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手創り市で買った珈琲豆と、民藝館で買った3寸皿。