Lucyの修理依頼

長財布「Lucy」の修理依頼をいただきました。maumvillageを立ち上げて、修理依頼をいただいたのはじめてです。画像は修理後のものです。カラーは赤茶です。それにしてもすばらしいエイジングです。届いた時びっくりしました!比較として新品のLucy赤茶も一緒に置いてみました。使用年数は2年半ですが、例えば、ぼくのライフスタイルでは2年半でこの味の出方はちょっと考えられないです。改めて、使い手それぞれの暮らしによって革の表情は変わるものなんだなと思いました。

さて、肝心の故障内容ですが、財布の外側前1箇所、後ろ1箇所、合計2箇所麻糸が切れていました。財布外側の縫製は確かに摩擦などで一番ダメージを受けやすい部分ではあるのですが、2年半で切れるのはちょっと早いな。。と疑問に思っていました。細部までチェックしてみて、想像以上のエイジング度合いや他箇所の劣化具合から、かなりハードにガシガシ使っているんだなと想像でき、疑問が解けました。因みに他箇所の劣化というのは、やはり外側の縫製のことです。まだ切れてはいませんでしたが、本来の麻糸の太さに比べて摩擦で痩せ細っていました。このままではそのうち切れることでしょう。その他は、革の状態、内部の縫製、ファスナーの状態などなど細かくチェックしましたが、全く問題なく、修理の必要はなさそうです。

今回の修理内容は、

  • 麻糸を丁寧にほどき財布の外側と中身を切り離したあと、財布の中のホコリや汚れを取り除きクリーニング。
  • コバの磨き直し。
  • 外側のステッチを全て縫い直し。
  • ホックを新品に交換。

今回のメインの修理箇所でもある外側の縫製は、強度を高めるため通常より少し太い麻糸で縫い直しました。あまり太いもので縫うと本来のデザインのバランスが崩れてしまうので、ほどほどの太さというとこがミソです。サイドとフラップのコバも綺麗に磨き直しました。いい感じです。ホックはまだ交換の必要はなかったのですが、Lucyの場合、ホック交換をする為にわざわざ縫製をほどかないといけないので、今回はその作業のついでにオマケで交換しておきました。オイルの塗布については必要ならやるつもりでしたが、元々かなりオイル含有量が高い革なので、まだまだ必要なさそうです。

経年変化の良さを残したまま、綺麗に蘇りました!ほんとすばらしいエイジングをしているので、かっこよく仕上がったと思います。修理は以上です。

maumvillageでは基本的に修理はできる限り無料で承っています。送料はご負担くださいm(_ _)m修理してまでまた使いたいと思っていただけることが嬉しいです。自分の作った品が、暮らしの道具としてそれぞれの元で使われ、また里帰りしてくることが嬉しいです。(壊れないにこしたことはありませんが。。)

さらに愛着を持っていただけるように、きれいに修理いたしますので、何かありましたらお気軽にご相談ください〜。